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大学発イノベーション創造

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国立大学は、運営費交付金が削減されるなか、国立大学が自前で稼ぐ事を期待されています。また、世界トップ水準の研究室が必要とする研究費は、巨額になっており、企業からの共同研究費獲得、寄付等、従来の研究費獲得の方法に依存しない欧米型研究資金獲得モデルを構築することが急務です。

● 知財活用
大学研究室にとって企業との共同研究は、共同研究費獲得の主たる手段であり、その成果である知財は、当該企業との共同出願とするケースが多い。そのため、大学の知財は共同出願が多くなっています。共同出願企業の製品が、市場で勝ち続ければ、大学研究室にては知財収入を期待できますが、知財を共同出願した企業の製品が、必ず市場で勝ち続けるとは限りません。知財共同出願企業の製品がマーケットで敗北すれば、その知財から収入を得ることはできなくなります。どの企業と組むとマーケット面で有利か、研究開始前段階で、マーケットの勝者を予測することは不可能です。
また、知財は、20年後に全ての情報が公開される。注目度の高い世界トップレベルの研究においては、20年経過前にも、国境を越えて、研究室のコア研究員の高額ヘッドハント、共同研究企業も対象にDBハッキング等、情報漏洩リスク等にも晒されています。製品ライフサイクルが短くなれば、企業側に、地道に研究を重ねるよりも、ヘッドハンティング等で手っ取り早く技術獲得を狙うインセンティブが強まります。
その知財の技術レベルが高く、市場価値が高ければ高い程、こうしたリスクが大きくなり、リスク・リターンが見合わない状況になっています。大学、特に、日本の大学が、これらのリスクをコントロールすることは難しいと考えています。

● ファンド設立
文科省が、2012年から「大学等発ベンチャーは、実用化されるまで時間を要するため、民間の投資が敬遠する。そこで、ベンチャーキャピタル等の民間の事業化ノウハウを持った目利き人材(事業プロモーター)を活用し、リスクは高いがポテンシャルも高い大学・独立行政法人等の技術シーズに関して、起業前段階から、事業戦略・知的財産戦略を構築し、市場や出口を見据えて事業化を目指す」START事業(大学発新産業創出拠点プロジェクト) 始めました。このプロジェクトを通して、多くの課題が明らかになりました。ファンド設立の場合は、この課題から学んだ点を踏まえて取組むことが重要と考えています。 

● “ビジネス・デザイン力”強化
戦後、日本の自動車メーカーが各国に展開する際、大手商社が、顧客接点の販売代理店網整備、アフターサービスの修理工場網整備、その修理工場に部品提供するサプライ・チェーン整備するといった海外展開モデルを“ビジネス・デザイン”しました。これにより、日本の自動車メーカーは、現在に至るまで長きに亘り、各国で、他国のメーカーとの競争を優位に展開でき、さらに高い技術力のための研究投資を可能にする好循環サイクルを構築しました。

大学の各研究室の研究資金獲得にても、このような“ビジネス・デザイン力”が重要になっています。米国の大学は、数十年前から、“ビジネス・デザイン力”強化に取組み、巨額の研究資金を獲得し、さらなる高水準の研究投資を可能にする好循環モデルの構築に成功しています。スタンフォード大学は、この機能をさらに強化するため d.school を設置し、さらなる“ビジネス・デザイン力”強化に取組んでいます。日本の大学にても、“ビジネス・デザイン”を担う機能を設置し、研究の競争優位性を高める“ビジネス・デザイン力”強化が急務です。
最大の課題は、日本の優れた研究者の多くは、“ビジネス”に関心がなく、この欧米型の研究資金獲得モデル構築が進まないことでした。しかしながら、全ての国立大学の運営費交付金が削減される環境下、欧米型研究資金獲得モデル、“ビジネス・デザイン力”強化の必要性が理解され始め、産学連携が大きく成長する局面を迎えていると考えています。

我々、産学官連携チームは、各大学で、“ビジネス・デザイン力”強化を図りながら、企業からの共同研究費に依存することなく、各研究室が市場から潤沢な研究資金を獲得できるモデル構築の支援活動を続けています。

なお、写真と当プロジェクトの記述は関係ありません。プロジェクトの匿名性の理由等によりイメージ画像を使用しています

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